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即ち、事前にそのデータ量を把握することができれば、あらかじめシステムのレスポンスを高めるための手段を講じることができるなど、システム設計時における有用な情報の一つとなる。

 

(2)PCR技術の有効性の確認
今回の作業においては、PCRと呼ばれるコンピューター技術を利用することにより、編集作業をより効率的に進めることができ、その有効性を実証することができた。PCR技術とは、異なるレイヤーに所属するポリゴンの間でアークを共有する技術のことをいう。
PCR技術においては、アークを用いることにより、特定の条件のもとにポリゴンの形状を自動的に作成することができる。即ち、この技術を用いれば、あるレイヤーのポリゴンを作成する際に、必要とするアークを集めることにより、ポリゴンの形状が自動的に生成される。逆に言えば、アークはどのポリゴンに使用されているかを覚えておかなければならない。ポリゴンのレイヤーの数をnとした場合、各々のアークはnビット分のon、off情報を持てばよい。計算機上では、各々のビットを、そのアークが当該ポリゴンレイヤーに使用されるのならばon、されないのならばoffとして処理してゆく。
PCR技術を従来の製図工の作業に例えて言うならば、アークを製図する際に、製図工がアークをどのレイヤーのポリゴンの境界線として使用するかを、明確に意識しながら製図を進めてゆく作業に相当する。
今回の作業においては、海岸線形態に関する情報(汀線情報)の記載に際して、本技術を適用したところ極めて有効であった。
本調査の主題図である情報マップの場合、汀線情報が漁業権範囲ポリゴン及び藻場範囲ポリゴン等のポリゴンのレイヤーに共有されていた。即ち、海岸線を表す線情報が、様々な種類の面情報の境界線を兼ねていたことを意味しており、PCR技術の有効性を確認する絶好の機会となった。

 

 

 

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